新! 日々是離婚相談 性格の不一致妻 実務Ver
離婚相談で予約をしていた(Y)と申します。
どうぞ、お待ちしておりました。
初めての方は概ね少しばかり緊張されていますので、どうかお気楽になさってください。
飲み物はお茶でよろしいですか?
では始めましょうか、どうされましたか。
【問】
実は夫とはここ数年うまくいっていません。性格の不一致といえば簡単ですが、それ以上の言葉もそれ以下の言葉も思いつきません。
家庭内での別居が続いています。会話もなく、単語の応酬です。
やむなく意見を言いたいときは中学生の娘にメッセンジャーとして活動してもらっています。こんな生活も慣れてしまえばなんとなくですが快適さも感じています。
通常の家族とは大きくかけ離れていますが、やむを得ないことなのかと。
離婚については私も夫も考えています。
夫はすぐにでも離婚して自由が欲しいみたいです。と考えていました。
私はですが、なかなか煮え切らないというか、やっぱり先の不安がもたげてきて、それと思春期を迎えた娘のことも気になります。
再来年度には進学も控え、そんなときに両親が離婚し、環境が変わったり、お金の心配なども合わさり、大事な時期にそんな身勝手がたとえ娘に対してでも許されることなのかと自問自答しながら、最終的に出した答えがあと2年ほどはこのままの状態でいいのではないかというところです。
夫には正面からこのことを伝えることが憚られていましたが先日2年間の猶予を下さいと、そこは娘を使わずに伝えました。
夫の答えは意外なものでした。
夫は実はやり直してもいいという考えでした。
猶予として与えられるその2年で夫婦関係が修復できるのではないかと。
私には夫とやり直すという選択肢は1ミリもありません。
そのことは意を決してその場で伝えました。
怖かったですが、やり直す気で2年を彼と過ごすのは無理です。
ほんと無理です。
彼の答えは、「じゃぁ今すぐ別れてくれ」
「俺は俺の人生のパートナーをいますぐこの時から探すから」
当然ですよね、どこまで甘えれば気が済むのかというものです。
ということで彼はそれからは「俺が浮気ををしても文句言わせないぞ」「一筆書いてくれ」的なことを口走るようになってきました。
私も彼の今更の浮気をとがめる気は毛頭ないし、どちらかといえば歓迎です。
一筆書くぐらいは何ともありませんがどのように書いたらいいのかわからなくて。
相手の方に慰謝料とか請求する積りもないのですけど。
こんな不思議な夫婦になってしまっているのですが、何か良いお考えでもあればとご相談に伺った次第です。
どうかよろしくお願いします。
【回答】
明らかに婚姻は破たんしています。
但し同居している限り、傍から見た場合、破たんとは言えません。破たんしているのかなという推測しかできません。
ご主人が浮気をしても一切咎めないのですね。
その浮気の相手にご主人がいくらお金をかけても咎めないのですか。
中高年の交際には多くみられるものですが若い二人の交際よりはお金がかかります。
それでもいいのですね。
婚姻費用の負担は全てご主人が賄っておられることでしょうから、家庭に入る金額が少なくなることも想像されます。
そのことも考え併せていきましょう。
誓約書でしょうね。
もし万一ご主人に愛人ができても、一切咎めないし、以後の慰謝料請求権はご主人に対してもその愛人の方に対しても放棄する。
離婚の原因はご主人の今回の浮気ではないこと。離婚に際し、万一調停や裁判になったとしても上記不貞行為は一切持ち出さないこと等の誓約をされてはいかがですか。
それを書くことの取引として2年の時間的猶予をご主人に申し出ればいいのではないでしょうか。
それとお金に関しては生活費名目で最低限の金額を算出し、ご主人にこれだけは家計に入れるように保証をさせましょう。
今は(Yさん)が仕切っている家計ですが、これからはお互いの話し合いで費用分担されていたほうが良いかもしれませんね。
2年の猶予なんて子供の成長と併せていけば短い時間です。
その短い時間で就職や次の生活基盤を見つけるには足らないかもしれませんができるだけその後に希望を持ってテキパキ動けるようにしておきたいものですね。
最後に老婆心ながら
婚姻とはもともと性格の違う二人の結びつきですから最初が一番の不一致です。
その不一致を一致させるのが夫婦生活です。
今後の参考にしてください。
では次回来週のこの時間に誓約書はご用意させていただきます。それにご主人の前で記名押印してください。
【相談後】
ありがとうございました。
誰にも相談できなかったことを伝えられただけでも胸のつかえがすぅっと取れた気がしました。逡巡しましたが来てよかったです。
それと相談中はおとなしい猫ちゃんたち、良い環境ですね。
では来週また伺わせていただきます。
どうぞ、誓約書作成してお待ちしています。
行政書士 家族の問題法務事務所
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