日々是相談「養育費を多額に請求された」養育費減額内容証明郵便作成
日々是相談「養育費を多額に請求された」養育費減額内容証明郵便作成
16時から予約していた(T)です。
どうぞこちらへ。
行政書士の田中と申します。
今日はよろしくお願いします。
【相談】
(T)今日は祝日にも関わらずご対応頂きありがとうございます。
(行)どういたしまして、緊急と言われていたので、事務所としては当然のことです。
皆さん仕事がありますから休日の相談もなるだけなら受けるようにしていますので恐縮なされずにどうぞご相談ください。
(T)私たち夫婦は結婚してまだ1年程です。彼女と付き合いだしたのもまだ1年半ほど前です。
付き合って直ぐに彼女が妊娠したので、そうですね、責任というか、他に選択肢がない状態なので結婚しました。
自分はまだ結婚とか考えてもいなかったのですがやむを得ないです。
彼女も結婚したかったかは未だに不明ですが、子供は欲しかったみたいです。
多分そうです。
彼女は自身の年齢に合わせた計画、つまり将来年表を持っていまして、幾つで結婚して幾つで子供を持って、という具合に。
その年表通りの年齢で子を出産しましたから。
離婚まではさすがにその年表には書いてありませんでしたが、とにかく若いお母さんを目指していたようです。
小学校に上がる頃でも20歳代でいたいような。
女の子です。
出産にあたって、里帰りしたのですが、東京です。
私も元々東京でしたが、大学進学でこちら、福岡に来たのでそのままこっちで就職しました。
両親とも福岡の出身でしたから縁は深いです。祖父母も今だ福岡にいますから。
九大です。
医学部です。
(行)超が付くほどの秀才ですね。
で、今はお医者さんですか、当然でしょうが。愚問でしたね。
(T)勤務医です。
皮膚科の医者です。
(行)今はコロナウイルスの感染拡大で病院自体は大変なんじゃないですか?
(T)科が違うので私どもはそうでもありませんが、勿論院内は大変な状況です。皮膚科の医者でも内科は看れるのでいずれ駆り出されるかもしれません。
(行)そうなんですか。
(T)で、これが来たんです。
(行)協議書ですか。
(T)そうです。突然です。
自分としては突然という気もしませんでしたが。
まだ子供の顔も見ていませんから。
東京に帰って一度顔を見に行く積りでしたが「こなくていい」という連絡を受けました。
会わせたくないみたいに感じました。
しかし父親ですからね。
(行)中身はどんな内容ですか。
(T)はい。
中身自体はそれほどありません。
財産もないわけですから。
ただ、養育費のみです。
その養育費が半端ないんです。
計算すると総額で3000万は下りません。
そんなに多額になるものなんですか?
(行)Tさんの収入にもよりますが、ほんと多いですね。
幼児のころは養育費もそれほど掛かりませんから。
ただ子を育てていたら仕事ができない、やりずらい、というのも考慮しなければなりませんが。
(T)留学費用も入っているのはどうなんですか?
それは子供本人次第のところですから留学費用に関しては少し無茶な気もします。
私感なんですが、これも彼女の年表に入っているのかなと。
養育費はきちんと払いたいとは思っています。
一度も抱いたことがない子供ですが半分は私の血が流れているわけですから。
ただ、法外な金額を支払う気にはならないということですが、なんとかなりませんか。
【回答】
(行)納得したうえで正当な金額は支払いたいというのが今のお気持ちですか。
(T)はい。
いくら私が医者だからと言って吹っ掛けてきているようにしか感じなくて。
それでも父親だから支払わなければならないのは分かりますが、この金額をそのまま受け入れると、再婚も厳しいです。
(行)分かります。
では、一気に攻めに転じましょう。
内容証明を作成してみましょうか。
(T)内容証明ですか。攻める?
(行)親権を争いましょう。
さっきもTさんが言われていましたよね、半分は自分の血が流れていると。
つまり親権は半分あるということです。
親権を得るために調停を起こすことをはっきりと記載しましょう。
親権を得るには子の為の生活環境の整備が求められます。
男性はお金を出し、母親が育てるという構図が少なからず成立していますが、全く可能性がないわけではありません。
Tさんの祖父母も福岡にいらっしゃるわけですから、預かって貰うことは可能、しかもTさんには社会的地位もある。
(T)ちょっと待ってください。
親権のことはさておき、自分が子を引き取っても育てていくのは厳しいです。
(行)それは分かっています。
ただ、親権を争う構えを相手方にされると、向こうはそれなりに怯むということです。
最初は減額をお願いする普通の手紙でもいいです。
その返事次第で、という二段構えで。
(T)なるほど。
(行)ですから、最初の手紙はそれほど攻撃的ではない方がいいかもしれません。
お願いベースにしましょう。
なぜその金額なのか、このくらいの金額なら支払いが可能というその辺の件も入れながら話合いができる感じのものにしましょう。
そのお願いを受けてくれない、となればその時に内容証明を使いましょうか。
できればお願いを受け入れてくれるほうが望ましいでしょうが、向うとしても一度抜いた刀をおいそれと元の鞘に納めるのは何かの大きな変化がなければ難しいだろうと思います。
その変化、親権を争うことで減額をさせていきます。
(T)心理戦ですね。
支払わないわけではない、支払う金額に妥当性を求めている訳ですから何も臆することはないということですね。
(行)そのとおりです。
では、来週までには最初の手紙を用意させていただきますのでまたご来所ください。
完成次第ご連絡は差し上げますが、Tさんの今置かれている職場環境ではどうなるか分かりませんから、改めて来所日時をご連絡ください。
それともリモートの方がいいですか?
(T)そうですね、それが無難ですね。
ではよろしくお願いします。
(行)はい。
【相談後】
(T)一人で悩むより相談するほうがいいということを身を持って知った気分です。
いつも患者さんの相談を受けていますが、相談も治療に大きく役に立っているのだと確信しました。
今後はより患者さんに寄り添えるように精進します。
今日はありがとうございました。
ご連絡お待ちしています。
(行)はい、来週初めにはメールします。
お気を付けて仕事も頑張ってください。
本日はお疲れさまでした。
行政書士 家族の問題法務事務所
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