離婚に伴う福岡養育費相談「彼と結婚がしたいというより結婚そのものがしたかった私」実務Ver33
日々是離婚相談「彼と結婚がしたいというより結婚そのものがしたかった」実務Ver33
12時に予約していた(A)です。
日差しの下では暖かく感じますが少し風が冷たいですね。
明日から3月、世は春ですね。
飲み物はコーヒーでいいですか?
では始めましょう。
どうされましたか。
【問】
夫のことなんですけど。
(行)
はい。
(A)
普通の人と思って結婚しました。
結果、普通でした。今は違うかもしれませんが。
(行)
何をもって普通というのか、という定義もあるでしょう。
(A)
そうですね。
感情の起伏が少ないところに普通っぽさを感じていました。
付き合っている頃、普通の人の前に真面目という文字をくっつけていました。
(行)
真面目で普通の人、ですか。
(A)
そうです。
なので結婚したと思います。
今時ですがお見合いみたいな感じで結婚しました。
友人の紹介ですが、コンパとかではなく、正式に、正式にというと変ですがそんな感じです。
公務員です。
区役所の黒縁メガネの人を想像されると多分うちの夫が分かりやすいかもしれません。
(行)
なるほど、確かに黒縁メガネを掛けた真面目で普通の人という言葉に当てはまる方を想像できます。
真面目な公務員さんならいいじゃないですか。
(A)
そうだったのですが、その「真面目」が取れてしまったのです。
実はギャンブル依存症なんです。彼。
(行)
何時からですか?
(A)
結婚した当初は何もしていなかったと思います。
9時5時の仕事で、6時前には家に帰ってきていましたから。
そうですね、子供を産んで暫くしてからだと思います。
最初は気が付かなかったのですが、毎月のお小遣いが足りないと言い出した頃からおかしいなと。
帰りの時間も遅くなりましたし。
何をしているのか聞いてみたら、実はパチンコでした。
夫曰く、「パチンコぐらいいいだろ」
って、良いですよ。パチンコぐらい。
そんなやり取りはしていました。
酒もタバコもやらない人なんで。
でもパチンコを皮切りに今ではあらゆるギャンブルに手を出しています。
思いつく全てのギャンブルに。
休みの日も一人で出かけています。
最近は何をしてきたかなど聞かなくなりました。
どうせ聞いても仕方がないものですから。
何も聞かないのですが、それも彼からすると許容されていると勘違いしているみたいで、ギャンブルを止めるとかそういう気配は一切ありません。
(行)
借金はありますか?
(A)
借金まではしていないと思います。
たまに勝っているみたいで、なんとかお小遣いでやりくりしているのでしょう。
感情を表に出さないタイプの人ですから、勝ったか負けたか表情だけではつかめないので。
(行)
折角やるのであれば勝たないと意味がありませんから、そこそこ勝ってるのでしょう。
でも最終的に考えてギャンブルで大儲けするような人はいませんから。
やはり胴元が勝つようにできているものしょう。
(A)
今になって考えてみると、結婚がしたかったのです。
私が。
だから彼と結婚がしたいというよりは「結婚そのもの」がしたかったのです。
いい歳していましたから。
「愛情ある結婚 < 制度としての結婚」という気持ちでしたから、こうなったのかもしれません。
私も公務員です。
出産で暫くは休職していましたが、現在は復職しています。
限られた時間で働いていますが、離婚した後はフルで働くつもりです。
年度末までにはっきりとしようかなと考えています。
(行)
3月末ですか?
(A)
そうです。
性急ですがそれまでに別れたいのです。
【回答】
それは急がないといけませんね。
話し合いは進んでいますか?
(A)
話し合いというよりは私が一方的に伝えている状態です。
彼は納得しているみたいです。
家庭を顧みていないということを本人も自覚しているのでしょう。
なので「合意」と踏んでいます。
(行)
何を取り決めたいのですか?
(A)
養育費さえもらえればそれでいいです。
財産なんてありませんから。
(行)
養育費は幾らほど欲しいのですか?
(A)
そうですね、毎月5万円あればいいです。
それを息子が大学を出るまで。
(行)
大学に進学するか否かは現時点では不透明なので契約上は就学中は続くようにしておきます。
勿論20歳を超えても就学中であれば養育費は続きます。
養育費と言うよりは教育費に近いですが。
その金額は伝えているのですか?
(A)
いえ、まだです。
今夜にでも伝えようと思っていますが、どうもっていこうかと考え中です。
(行)
ですか。
それなら少し上乗せした金額から伝えてください。
7万円くらいから始められたら良いのではないでしょうか。
最初7万円と伝えて話し合いの中で5万円に落としていきます。
あっさりと落としても構いません。
できるだけ彼の今後の生活のことも心配しています、という体で入りましょう。
最後は優しく終われるようにした方がいいです。
その方が支払いも滞ることなく続きます。
なので
「本当は7万円くらい欲しいけど自分がもう少し頑張れば、頑張って節約すれば5万でも何とかやっていけます。」
という言いまわしをしていきましょう。
(A)
色々と策があるのですね。
悪い自分になりそうですが。
(行)
5万円を確実にもらうためです。
それ以上低くならないための策です。
頑張ってください。息子さんの為です。全ては。
で、決まりましたらご連絡ください。
契約書は作成しておきますから。
公正証書にするためには印鑑証明書が各々1通必要です。
早めに取得しておいてください。
公証役場には私がご主人の代理人として出向きますのでご主人からは委任状頂くことになります。
委任状と契約内容を記したものに記名押印、各ページに割り印をお願いします。
ここまでお伝えしておけば何とか年度末に間に合うでしょう。
公証役場には早めに連絡しておきます。
(A)
助かりました。
ではよろしくお願いします。
(行)
分かりました。
【相談後】
あっさりと話してきましたが、決心するまでに時間もかかりました。
(行)
そうは感じませんでしたが。
何だかドライな感じで。
(A)
いいえ、こう見えても悩みました。
最終の決め手は先生のHPを見た時です。
今は我慢できても、この先何十年と続く関係を考えたら、その時一緒にいれるのか?
というのを拝見したんです。
確かに、この先の方がどれだけ長いのかと。
それで決めました。
今しかないと。
(行)
そうでしたか。
そうですよね。
気を付けてお帰り下さい。
(A)
ありがとうございます。
行政書士家族の問題法務事務所
Copyright (C) KAZOKUNOMONDAI Office. All Rights Reserved.