日々是相談「夫の在宅ワーク」離婚準備急務・コロナ離婚
日々是相談「夫の在宅ワーク」離婚準備急務・コロナ離婚
14時に予約していた(F)です。
はい、どうぞこちらへ、お待ちしていました。
行政書士の田中と申します。
まずは手洗いをお願いします。
こんな時期なので私もマスクを着用してのご相談となり、聞きずらい部分もあるかもしれませんがどうかご容赦ください。
換気の為いたるところ窓を開放しているので少し肌寒いかもしれませんが、寒かったら言ってください。暖房入れますから。
飲み物はこれ(ペットボトルのお茶)を差し上げます。
では始めましょうか。
どうされました?
【相談】
(F)先月の末より夫の会社が全員在宅ワークとなりまして、結果、毎日家にいるのです。
もともと不仲の状態でしたから、それはもう大変です。
広い家でもないですし、書斎というか、彼の仕事部屋もありません。
殆どリビングでカチャカチャやっています。
合間に電話を頻繁に掛けています。取引先や上司、同僚に。
テレビ電話です。
家の中の生活音が漏れ聞こえるのが許せないみたいで電話をかける前に私と子供たちに気配を消すようにと無言で訴えてきます。
それが朝の9時から夕方の6時まで続きます。
週に1回は出社するのですがそれも短時間に限られています。
システムエンジニアです。
なので毎日が緊張して、子供たちも学校は休校しているし、外でも遊べないし。
子供連れて買い物には出るのですが、それも世間からはなるだけ少な目にするように、そんな暗黙の規則があるじゃないですか。
どうすればこの時期を乗り越えることができるのか、コロナ疲れというのでしょうか。
散々悩んで、実家に戻ることにしました。一昨日に家を出てきました。
同じ市内に両親が住んでいますから。
夫には仕事の邪魔になるからと、食事や洗濯は不自由なく手伝いに来ることを約束し出てきました。
今日の相談後一度夫のところに行く予定です。
買い物したものを届けて三日分くらいの食事を用意する積りです。
多分せいせいしていると思っています。電話もLINEもありませんから。
私も心底ほっとしています。
たった二日間ですが、この判断が間違えているとも思っていませんし、何より子供たちに明るさも戻りました。
毎日ケンカばかりしていた子供たちを本気で叱り付けていた嫌いだった日々を今では大切な日常だったと改めて感じました。
何年も前から口を利いてないような夫婦です。
いずれ離婚したいと思っていましたが、子供もまだ小さかったし、踏ん切りつけるには何か大きな変化がなければならないような気でいました。
今回がその大きな変化に違いないと気が付きました。
近いうちに夫には告げようかと。
なのでどの様に夫に切り出したらいいのか、告げた後は何をすればいいのかとか、その辺が今日は聞きたくて伺いました。
どうかよろしくお願いします。
【回答】
(行)在宅ワークもそういう落とし穴があるのですね。
在宅でも仕事が可能なくらいに環境は整備されてきていましたから今後は益々広まるでしょうね。コロナウイルスの感染が収まっても、また新たなウイルスも出てくるでしょうから今回を教訓に学ぶことも多いでしょう。
で、離婚ですね。
(F)どう切り出せばいいのでしょうか、また、その手段は?
(行)そうですね、タイミングといえば今でしょう。別居が始まったばかりですが、いいタイミングと思います。少なからずご主人も考えているでしょう。
このまま戻って来ないのじゃないかと。
だから電話もLINEも寄こしてこないのじゃないでしょうか。
そう、そこでFさんから何か言われることが怖いのじゃないかと推測しています。
今日この後に切り出すと、まだ二日しか経っていないので何かの勢いから軽率に切り出しているんじゃと勘ぐられると思います。
なのでじっくり考えた感を出すためにはもう暫く時間が経過した後と思います。
方法は限られています。
一大事です。運命が大きく変わる一大事です。LINEはありません。
相手に失礼です。
最初のボタンの掛け違えは後々の為にもよくありません。
正式にするためには手紙が一番です。
証拠力もありますから。
内容証明にするとより証拠力は上がりますが、そこまですると相手も固まってしまう恐れがありますからお勧めしていません。
(F)どのように書けばいいのですか?
(行)そうですね。
一番大切なことは、相手を責めるような手紙でなければいいです。
離婚は結婚と同じく同意が必要な法律行為です。
つまり二人の気持ちが一緒にならなければ成立しません。
二人でもう一度「円」を描く作業です。
なので今までの感謝や今後のこと等。
相手を責めても喧嘩が大きくなるだけで離婚には近づきません。この状態からの喧嘩は不毛です。
(F)書く自信がありません。
(行)あっさりしてますね。
では書いて差し上げます。
今までのご夫婦としてのいい思い出とか、ご主人の人柄(勿論良い部分)を教えてください。
(F)・・・・・・。
(行)そのくらい分かれば十分です。
最初から仲が悪い夫婦もいませんから。
また、良い部分もないと結婚まで至りませんからね。
では今日伺ったことと或る程度の今までの経験を踏まえて手紙をご用意させて頂きます。
あまり長いものではありません。
長いのは結局読む方も疲れますから。
その出来た手紙をFさんの言葉に直しながら手書きしてください。
手書きに直す方がより相手の感情を動かせますから。
その手紙を食事を作りに行ったときに一緒にテーブルの上に置いてきましょう。
それが始まりですので後のことはご主人の反応を見てからになります。
(F)分かりました。
(行)では一週間後今日この時間にまたご来所下さい。
手紙を用意しておきますので。
(F)ありがとうございます。
【相談後】
今日は車ですか?
(F)はい。父の車を借りてます。
買い物して家に行く予定ですが、何だかドキドキしています。
なるだけ普通にしていたいのですが、主人の知らない私になってしまったような、秘密を持つというのはなかなか大変なことなんですね。
正直者なので、大丈夫かな、とか。
まぁ、会話しないのですけど。
(行)気を付けて生活してください。
(F)はい。
今日はありがとうございました。
行政書士家族の問題法務事務所
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