日々是相談「家事分担契約」新たな生活の為に
日々是相談「家事分担契約」新たな生活の為に
11時に予約していた(A)です。
雨が激しいですね、梅雨にはまだ間がありますが、そんな一日になりそうですね。
飲み物はコーヒーでよろしいですか。
では始めましょう。
【相談】
落ち込んでいるんです。
凄く。
ここ1年くらいですかね。
家が辛いのが主な原因ですが。
はい、行ってます。
心療内科の先生が言われた診断では「非定型鬱病」だそうです。
原因は家庭環境、生活環境だそうです。
自分でもある程度は分かっているんです。
2年ほど前から妻が仕事するようになりました。
子供も手が離れたこともありますし、3年前に購入したマンションのローンもあるので家計を少しでも助けようという心算だったのでしょう。
それはそれで僕としても有難いことだったのですが、暫く働いた頃から家事を殆どやらなくなってしまいました。
僕も当然仕事を持っていますから家事を熟すのは難しいところもあります。
だから夕飯は適当にコンビニ食だったりしています。
子供も最初はそういう食事も楽しそうに食べていたのですが、やはりこのままでは子の成長にも良くないのは火を見るより明らかなので、どうしようかと妻にも相談しました。
貴方が作れば、という彼女の言葉です。
結婚して以来私がずーっと作ってきたんだから、いいでしょ。
と。
なので今は僕が作っています。
僕の仕事は、早く帰れる部署に変えて頂きました。
出世?
諦めました。
出世したくて働いてきたわけでもありませんから、受け入れています。
食事の支度、思っていた以上に大変ですね。
ですが、少しずつ要領よくなってきたような気がします。
妻の苦労もよく分かりました。
掃除、洗濯もやっていますよ。
なのに僕のやり方が気に入らないのか、洗い物一つでも文句ばかり言われています。
今までこんな生活をしていないので僕は僕なりのやり方でやっているんです。
妻は既にノータッチですから。
それで文句いうのはおかしくないですか。
うんざりなんです。
食欲もないし、睡眠も浅く直ぐに目が覚めてしまいます。
離婚ですか、過りますが子供もいるし、ローンはまだ30数年も残っていますし。
なので八方塞がりで、、、。
どうしたらいいでしょうか、これからも家族として暮らしていかなければならないのに。
【回答】
(行)それは大変ですね。
仕事しながら家事も、お子さんの世話もでしょ。
(A)そうですね、9時から5時までの仕事に部署変えして貰っていますが、夜は殆ど自分の時間が取れない状況で、それこそ主夫ですよ。
彼女は結婚前もかなりバリバリ働いていましたから、昔のように快活に仕事がしたいのでしょう。
社内で抱えているものも多い、ストレスも大きい職場みたいです。
帰りも僕より遅いので家事が疎かになるのも仕方のないことかもしれません。
そのことは理解しているのですが、やはり不満も出てきます。
(行)そうですよね。
Aさんはしかし立派ですね。
よく頑張っていらっしゃいますよ。
でも今後もこの状況が続けば、いずれは破綻してしまいそうですね。
(A)間違いないです。
僕の中では既に限界まできています。
昔、彼女が専業主婦の時は、僕もできる範囲の家事、育児は手伝っていたんですが、「手伝う」という言葉に噛みつかれていました。
女の仕事を男が手伝う、それはどうなの?
二人の家庭で二人ともが背負ってる家事債務でしょ、ってよく言われていました。
今は逆転していますが。
(行)では、家庭内のルールを作成してみてはどうですか?
家事はそれこそ分担していかないと片方だけでは荷が重すぎる、ということは以前の言葉でも分かるように奥様も認識していらっしゃるということですよね。
とすれば今からでもルールを作られてはいかがですか。
最初は不満も出るかもしれませんが、そこはAさん、しっかりと話合ってください。
仕事も家事も2年間やってきて限界点まで近づいていること、ご自身の病気のことも伝えながら。
契約です。
婚姻契約です。
家事は週の曜日ごとに役目を交代して行うこと、又は項目別に分けても構いません。
洗濯、掃除、食事の準備、このうちどれか一つでも奥様の仕事にして貰えるように、そんな契約ができればいいのですが。
しかしそれを受けてもらうにはやはりAさん、頑張って今までやってきたことに対する感想、以前の奥様への感謝の気持ち等も一緒にしっかりと伝えていかないと契約なんてできません。
そこは今後の為に頑張って下さい。
合意がなければ契約は成立しませんから。
今の負担が2割でも3割でも減らせるように、奥様とよく話合ってください。
それができなければ一定の期間をおいて離婚も視野に再考すべきでは。
(A)離婚はしたくないのですが、考えてしまうこともよくあります。
しかし今それを口に出すとなんか逃げているような気がして。
離婚できたらどんなに楽だろうと思いますが子もいるし、今の生活は大変でも大きな励みでもありますから。
(行)では、しっかりと奥様に今の気持ち、伝えましょう。
応援していますよ。頑張れとは言わない方がいいのですよね。
Aさんのできる範囲で。
奥様に気持ちを伝えることに躊躇されるようでしたら、事務所で手紙を作成できますので、それもご一考下さい。
なんとか纏まるように、そんな手紙も書けますから。
(A)助かります。
考えてみます。
(行)では次週までに婚姻契約書は2パターン作成しておきますから、それを見ながらまたご相談していきましょう。
焦ることはないですから、時間を掛けながら奥様の理解を導きましょう。
(A)はい。よろしくお願いします。
【相談後】
(A)今日はお世話になりました。
貴重な時間でした。
誰にも、友達にも、同僚にも言えなかったことを伝えられたことで少し重荷を下したような気がしました。
現実は何一つ変わってはいませんが、妻とよく話し合ってみます。
(行)話合わないと何も変わりませんから。
きちんと今後を見据えてよく話し合ってください。
それが第一歩であることに間違いありませんから。
(A)はい。
今日は本当にありがとうございました。
(行)どういたしまして。
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