離婚福岡相談「歯科医夫婦の離婚協議書作成」実務Ver36
日々是離婚相談「歯科医の夫婦の離婚」実務Ver36
11時に予約していて(T)です。
初めまして(T)と申します。
今日は良く晴れて気持ちがいいですね。
少し暑くなるみたいですが。
飲み物は紅茶でよろしいですか。
では始めましょう。
【問】
どこから話せばいいのでしょうか。
初めてなので何もかも解らないことだらけで。
(行)
そうですか。
夫婦仲がうまくいかなくなったのはいつごろからですか?
それの原因を話していただければ助かります。
(T)
夫婦仲は今もそれほど悪いわけではありません。
離婚はなるだけ避けたいのですが止むを得ないところまで来ているみたいなので離婚をしようと考えています。
原因は、主人が経営感覚がないということです。
それが最大で唯一の原因ですね。
きっと。
二人とも歯科医をしています。
大学時代に知り合いました。
卒業してそれぞれ勤務医として働いてきましたが、この世界、勤務医ではなかなか厳しいのです。
親が歯科医院を経営している場合はそこを継ぐ方が多いのですが自分で歯科医院を開院するのは大きなお金もかかりますし、最初は勤務医を選択するしかありません。
そこで働き、腕を磨いて、お金を貯めていざ開院ということになるのですが、ご存知の通りどの町も歯科医院ばかりになってしまった今の時代では新しく、というのはなかなか難しいものです。
私は最初に勤務した歯科の先生が引退されて、「よかったら引き継いでくれないか」とのお誘いを受けて、いろいろありましたがそこの歯科医院の院長になりました。
跡継ぎがいらっしゃらない先生でしたから。
その点は恵まれました。
私含めて5人のスタッフでやりくりしています。
女医というのが子供の患者さんに安心感を与えるみたいで、小児歯科も併せてやっています。
夫も3年前に新規で開院しました。
相続したお金と銀行からの借入金で。
(行)
その経営が大変なんですか?
(T)
そうなんです。
破綻寸前です。
夫は私には何も言わないのですが、態度で判ります。
私に相談はしませんが、税理士さんに相談しているのは、その税理士さんから伺っています。
同じ税理士さんにやってもらっています。
夫は開院時に2000万円の融資を受けています。
今の私たちが暮らしているマンションはまだ抵当には入っていませんが、彼の実家(彼が相続したマンション)は抵当に入っています。
その今住んでいるマンションは持ち分が5対5で登記しています。
その彼の持ち分を抵当に入れようとしているのです。
そこで追加融資をして貰う積りのようです。
で、もし抵当に入ったら私たち娘も含めて住むところ失いかねません。
夫が医院を廃院にしたくない気持ちは分かりますが、出直すべき時になっているのだと思っています。
今住んでるマンションもローンは全て私が支払っています。
なので離婚して財産分与で彼からそのマンションの持ち分の半分を分与して貰いたいのです。
娘一人です。
養育費は要りません。
彼とも離婚後も今と変わらず暮らしていてもいいんです。
もともと性格も合わないわけでもありませんし、離婚しても同居していて構わないのですが、この時点で財布(財産)は別々にしないと私も子供も巻き込まれてしまいかねません。
なので離婚は必ず成立させたいのです。
それとマンションを守りたいのです。
どうかよろしくお願いします。
【回答】
開業医ともなれば世間からしたら大層な暮らしをされているものと想像していましたが。
違う場合もあるのですね。
(T)
医師と歯科医師は違いますから。
歯科は厳しい所も多いみたいです。
歯科医療の発達と日頃のケアも昔より遥かに進みました。
今はあまり虫歯に悩む方もおられません。
3カ月に一度くらいの割合で歯科に通えば永く清潔に保てるようになってきました。
なのでそういう患者さんを看ています。
(行)
そうですか。
私も3カ月おきに通っています。
そんなに気にするほどの治療費でもありませんから気軽に通っています。
(T)
その習慣を続けられるのが一番です。
(行)
さて本題の方に入りましょう。
財産分与で今のマンションの半分を分与して貰えればいいのですね。
(T)
そうです。
彼は自身の持ち分から凡そ1千万円の融資を受けたいみたいです。
それでインプラント専門の歯科にしようという思いが強いみたいです。
インプラントも今は多くの歯科が取り組んでいますが、その技術には微妙に差があります。
なので今更その戦場みたいなところに参入してもなかなか難しいかと、私個人はそう考えています。
どうしてもやりたいのであれば私が融資してあげても構いません。
そんなに多くはないですが500万円ほどなら貸し付けても大丈夫です。
なのでその取引も契約に盛り込めないかと思いまして。
(行)
分かりました。
離婚の公正証書は親権、面会交流、財産分与ということですね。
それと、今の彼が抱える債務に関しては彼の責任において彼が全額返済するという条文も入れておきましょう。
万一の為に。
500万円の貸付金は離婚が成立した後に契約してください。
夫婦間の契約は片方から解除できますから。
必ず他人になった後に契約です。
(T)
彼が納得できるまでやりたい気持ちも分かるので、なるだけなら助けてあげたいのです。
その気持ちを伝えながら彼に説明していこうと考えていますが。
それでいいでしょうか。
(行)
良いですよ、Tさんのその気持ちを理解できないようなご主人ではないでしょう。
円満離婚を目指して頑張ってください。
以上です。
【相談後】
ほっとしました。
今まで誰にも相談していなかったので。
(行)
親や友人に相談したところで解決策は見出せないのがこの問題です。
来週までには契約書をそれぞれ作成しておきますので、Tさんはご主人と真剣に話し合いをしてください。
その話し合いで状況が変わるかもしれませんから、その時は一度ご連絡ください。
メールで構いません。
では頑張ってください。
(T)
はい。
頑張ります。
行政書士家族の問題法務事務所
Copyright (C) KAZOKUNOMONDAI Office. All Rights Reserved.