離婚福岡相談「仮面夫婦.きっかけは占い。離婚協議書作成」実務Ver35
日々是離婚相談「仮面夫婦.きっかけは占い。離婚協議書作成」実務Ver35
13時に予約していた(K)です。
5月なのに暑いですね。
少し冷房を入れていますが、寒かったら遠慮なく仰ってください。
飲み物はコーヒーでいいですか。
では始めましょう。
【問】
先日は電話でのご相談ありがとうございました。
電話で話している途中に先生から「もう、終わってる」と言われたときから今日が待ち遠しいくらいでした。
そう、もう終わっていたんですね。
あらためて人に指摘されるまで認めたくはなかったのです。
(行)
失礼しました。
電話では端的に話す癖が付いていまして、本当にすみません。
(K)
いいえ、ありがたかったです。
いい踏ん切りになりました。
(行)
仮面夫婦、しかも随分長い仮面夫婦と言われていましたが、何年ほどですか?
(K)
そうですね、ほぼ10年くらいです。
夫婦で会話をしたのが10年くらい前が最後です。
日常の会話はありますが、必要最低限にしています。
というかそうなっています。
食事は別々に食べています。
彼は遅いので、それまでに私と子供で済ませています。
片付けが朝になるのが嫌なんですが、顔を合わせたくないのでやむを得ないかな、と。
早めに寝ています。
そんな生活を10年ほど続けていると、麻痺してしまうのですよ。
それが日常になってきますから。
彼は休みの日も大方は出かけています。
どこに行っているのかも知りませんが、読書が好きな人なので今は各所で行われている読書会に行っているのだと思ってます。
数冊の本を持って出かけているみたいですから。
(行)
何を切っ掛けとしてそうなったのですか?
(K)
占いです。
彼の両親が心酔している占い師の方がいるのですが、私たちが婚約したか、しないかの時期にその方のところに案内されたんです。
で、二人の夫婦としての相性を占って貰ったんです。
もともと私は占いとか信じていないのですが、義父母の手前もありますし、彼は言い成りですから。
その時に占い師から言われたのが、私の気が強すぎるのでそこは要注意ということでした。
他にもいろいろと言われました。
私の性格に難があるとか。
それを言われたときに彼が笑ったんです。
義父母もそれに釣られるように笑ったんです。
その帰り道、ずーっと考えてしまいました。
このまま結婚していいのかと…。
結婚当初はお互いが頑張っていたと思います。
私もそんな占いとかに負けてはいけないし、負けるつもりもないし、あの占い師を見返すくらい幸せな家庭にするために、それは彼も同じ思いだったと。
しかし、彼が占いの場で笑ったのがどうしても忘れられないのです。
彼には何も言ってませんが、ふと思い出しては塞ぎこむようになっていたんです。
たかが占いですけど。
(行)
それから10年ですか。
(K)
それから10年ですね。
子供も12歳になりました。
冷めた夫婦の姿を延々と見せてしまっていますが、彼女は仲が良かった時の私たち夫婦の記憶がないので、なぜ夫婦になったのか不思議がっています。
先生に言われた「もう、終わってる」で決心しました。
こんな生活をいつまで続けても不毛なのでここらで解消させます。
どうか手を貸してください。
【回答】
そうでしたか。
では、まずはご主人にお伝えしないといけませんね。
離婚します。と。
離婚したい。ではなく。
離婚します。と。
ご主人も離婚したいでしょう。
そんな窮屈な生活を10年も続けていれば。
(K)
どのタイミングで伝えればいいのでしょうか?
(行)
どのタイミングか、それはもういつでも構いません。
私の事務所に来たのですからKさんは既にそのタイミングと思っておられるのですよね。
だったら早い方がいいかもしれません。
ご主人にしてもいつ何時、「離婚します」と言われたところで、準備はできているでしょう。
心の準備です。
実務の話に入りましょうか。
「離婚します」と伝えた時にどのような離婚給付にするかを一緒に伝えてほしいのでその部分まで今日はお伝えしておきます。
お子さんはお一人ですか?
(K)
はい。女の子です。
(行)
12歳でしたね。
それと不動産ですが、ありますか?
(K)
はい。
5年前に今のところに一戸建てを購入しました。
二人目を作ることは考えられなかったので少し大きめの家を建てました。
35年のローンを組んで。
(行)
仮面夫婦になって相当過ぎた時期ですね。
(K)
家でも建てたら何か変わるのではないかと、夫婦の関係も。
そんな思いでした。
周りの方からも勧められましたし。
(行)
そうですか。
ではその不動産、今後どうしますか。
(K)
できれば私と娘で暮らしたいのです。
そんな勝手が許されるか分かりませんが、行く場もないので。
それさえ彼が理解してくれるのであれば養育費はもらわなくても構わないのですが。
(行)
では不動産が主となりますね。
債務が今後30年分ありますから、その債務をご主人が支払うことの契約をしないといけません。
債務完済後に所有権を移転する、財産分与ですね。
離婚時の清算的財産分与には贈与税がかからないので取り決めておく必要があります。
完済後に贈与となれば税金がかかってしまいます。
離婚時の財産分与で必ず契約してください。
離婚すると他人の持ち物の不動産に住むわけですからそれも契約しないといけません。
(K)
どういう契約ですか?
(行)
【使用貸借契約】です。
無償が前提です。
その契約をしておかないと居住権がありません。
Kさんには。
なので公正証書の中で契約してください。
そのように作成しておきましょう。
それと年金分割ですね。
年金機構に「年金分割の情報通知書」という書類を請求していてください。
送ってくるまでにかなり時間がかかるものなので早めにご連絡されたほうがいいです。
年金分割は私署証書の認証という形で合意文書を作成します。
その方が費用的にも安くなりますから。
(K)
何事も合意なんですね。
(行)
そうですね。
結婚も合意なら離婚も合意です。
合意がなければ先には進みません。
世の中は合意の賜物です。
では次回までにご用意させていただきますので、Kさんはご主人に告げてください。
良いですね。
(K)
分かりました。
(行)
今日のところは以上です。
【相談後】
世の中は合意の賜物だったんですね。
(行)
その合意が平和を産んでいるのです。
(K)
何も考えていませんでしたが、そうなんですね。
すごく勉強になりました。
私も合意後の平和を目指して頑張ります。
(行)
では来週のこの時間に。
お気をつけて。
行政書士 家族の問題法務事務所
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