離婚.不倫の慰謝料請求 (不幸にして慰謝料請求された場合を含む)

慰謝料請求が認められるには、相手に不貞行為(浮気)、暴力行為などがなければなりません。
単なる性格の不一致で離婚する場合には、慰謝料請求は認められていません。(ただし、2人の間で慰謝料を決定することに問題はありません)
夫婦関係がすでに破綻してしまった後(不貞行為の前から別居中だったとか)で、相手が異性と関係を持ったとしても慰謝料を請求することはできません。
具体的な基準額を示すのは困難ですが、算定する際に考慮すべき事項として、
(1)離婚に至った責任追及
(2)精神的苦痛の程度
(3)婚姻期間(長いほど多く望めます)
(4)相手の収入
■「不倫した相手」に慰謝料の請求を
不倫相手に慰謝料を請求してみるとあっさり払ってくるということも結構あります。
理由は、表立ってしまうことへの社会的制裁を回避するためでしょう。
電話や手紙で請求しても払ってくれない場合、法的手続きを考えることになりますが、訴えを起こす前に一度、内容証明郵便等によって請求をすることが普通です。
それでも無視されたり拒否された場合、訴えを起こします(いきなり訴訟ではなく調停を申し立てることもあります)。
訴える裁判所は、相手の住所地または自分の住所地を管轄する地方裁判所です。
なお、不倫相手と夫(妻)とを、いっしょに訴えることも可能です。
不倫相手と夫(妻)とは、法律的には、夫(妻)とその不倫相手は共同不法行為者です。
共同不法行為によるそれぞれの債務は連帯債務となります。妻に資力がなく不倫相手には資力があるという場合は、慰謝料額の全額を不倫相手に請求することが可能です。
■不倫の慰謝料
慰謝料は、不法行為を受けた者の精神的苦痛に対してこれを慰謝するためのものですから、不倫の状況、不倫の時間的長さ、不倫が起こるまでの夫婦関係(別居の有無など)、不倫された側の衝撃の度合い(心身消耗など)、様々な要素を勘案して決定することになります。
一般的な相場としては、200万円から300万円くらいでしょうが、これはあくまでも相場であっていくらでも構いません。
たとえ1000万円でも100万円でもそれが高いか安いかなどはあなたの精神的苦痛に対するものである限り、その金額が正当なものとなるのです。
■慰謝料請求のための証拠
不倫の慰謝料を請求することは簡単ですが、それが裁判(訴訟)になった場合、慰謝料が認められるためには、慰謝料を請求する側(訴えた側)が夫(妻)と不倫相手との不倫があったことを立証しなければなりません。
この証拠がなければ不倫(不貞行為)を証明できないという決まったものはありません。
要するに第三者から見てももっともだと思える証拠があればよいのです。
決定的な証拠としては、2人がホテルへ入る時の写真などでしょうが、このような決定的な証拠を得ることは容易ではありません。探偵事務所などへの調査依頼も必要にはなるでしょう。
もちろん、費用の面も考えなくてはいけません。
最近は携帯のメールが多く使用されるため、不倫関係があることを証明する内容のメールなどから不貞行為が立証されることも多くはなってきました。
最後に、ひとつひとつは証拠として弱くても、それらが合わさることで不貞行為が立証できることもありますので、辛抱強く証拠収集をする必要があります。
慰謝料請求は離婚の時から3年で権利がなくなりますのでご注意ください。
※不倫相手への慰謝料請求は内容証明郵便で行いましょう (時効停止の効果や証拠になります)。
■ 「不幸にして慰謝料を請求された場合」の対応
不幸にして慰謝料を請求された場合は早めに対応しましょう。
対応を誤れば大きな問題へと発展しかねません。
以下に相談事例を参考までにアップしておきます。
相談事例
私は妻子ある男性と知りながら、2年間くらい不倫をしていました。
彼からは、妻と上手くいってないと聞いていて、既に妻には愛情がない、と言っていました。
一年ほど前に奥様に2人の関係が知れました。奥様には何度かお会いして謝罪しましたが、その時に念書を書かされました。
彼も同じものを書いたそうです。
内容は、
『二人は二度と会わない。約束を破れば彼の奥様に対し、金300万円の慰謝料を支払う。』
というものでした。
そのときは本当に怖くなって一度別れたのですが、結局また彼と会うようになりました。それが奥様の雇った探偵さんに調べられて…。
彼は離婚したいと何度も奥様に言っていたみたいなのですが、奥様は離婚に応じる気は全くなく、今はとりあえず別居しているみたいです。
先日、不倫していた相手の奥様から弁護士を通して内容証明郵便が送られてきました。
現在、慰謝料金300万円を請求されています。
どうすれば良いでしょうか?
当事務所回答
また大変な事態ですね。念書まで取られていては危険です。
その念書がなくても証拠を押さえられている可能性が高いので、内容証明郵便に書かれている
「期日までの支払いがない場合、法的措置に直ちに踏み切る所存」
は明らかだと考えられます。
しかも、弁護士をつけていますからそのまま弁護士が最後まで業務を遂行する約束が出来上がっているようですね。
さて、どう対応していきましょうか?
この場合、無視し続けることはいただけません。
ひとまずは期限の2週間以内に相手方弁護士に何がしかの返答をする必要があります。
その返答次第では請求金額の減額も可能です。相手方弁護士も多分、請求金額を満額で貴方から貰うことは考えていないでしょう。300万円の請求でも裁判で認められる金額は減額されることが多いものです。
しかも、判決後の強制執行において掛かる費用や手間を考えていけば、訴訟を起こされる前の減額には十分応じる構えと推察できます。
さて、どのような返事をするかが大きなポイントになってきます。
まずは請求金額の減額を目標にして誠意ある対応を示しましょう。
最初にあなたが支払い可能な金額を定めます。決めた金額より少ない金額を提示しても良いです。慰謝料の相場はあくまでも相場であり、決して全ての人に当てはまるわけではありませんから。
分割での支払いであれば何とかなるのなら、その場合は公正証書での契約を行うとしておきましょう。より紳士的に感じられます。
いずれにしても慰謝料は払うことになりそうな事案ですが、なるだけ傷を浅くすることをこれからも一緒に考えてまいりましょう。
『ご用意』
請求先の住所は正確に把握してください。






